●サマータイム好評、参加3年で5倍に
夏場の始業、終業時刻を1時間ずつ早めるサマータイムの実験が北海道内を中心に、8月11日まで52日間の予定で進められている。今年は実験3年目で最後の年。参加人数は約3万人と、1年目の5倍に増えた。岩手県からも参加するなど広がりも見せ、主催する札幌商工会議所や周辺自治体などは本格導入への期待を高めている。
チョコレート菓子「白い恋人」で知られる石屋製菓では、札幌市内の工場や事務所で働く計20人が参加している。事務職の菊地美砂子さん(36)は出社が午前8時、退社が午後5時になった。「帰宅時は、まだまだ明るい」と、地下鉄を3駅手前で降り、1時間半かけて趣味のウオーキングで帰ることもある。不参加企業と時差ができ連絡が取りづらいという悩みもあるが、「朝は向こうから電話が鳴りだす前に伝票処理できる。通勤車内もすいている」と利点の方が大きいと感じる。
北洋銀行は今年、6店舗で開店を1時間早めた。本店勤務の柴山紫織さん(21)は夕方5時前に退社し、友人とレストランでゆっくり食事もした。「普段の外食はどうしてもあわただしくなる。心配もあるが、来年もあるなら参加したい」
参加自治体も年を追うごとに増えた。今年初参加の恵庭市では、総務課や職員課などの計39人が7月いっぱい、実験組と非実験組に分かれる。最初はとまどいも多かったが、「だんだん慣れてきて、野球観戦に行ったり、サッカーを楽しんだりする職員が出てきました」。
高緯度の北海道は、夏には午前3時半~4時に夜が明け、昼間が東京より1時間以上長い。実験は、この利点を生かそうと企画された。
札商が最も期待するのは経済効果だ。全道で半年続ければ、1100億円の効果と試算する。実験の期間中、ゴルフ場や飲食店、病院など70事業所が早朝や夕方にセールや健診など協賛イベントを続けている。昨年の調査では、経営者の50%、従業員の32%が「期間中は買い物などの支出が1万円以上増えた」と答えた。三越札幌店は、午後5時台の来店者が5%増えたという。
発案者の石水勲・札商副会頭は、「札幌証券取引所が東証より早く開けば、世界の目が札幌に向く」と期待する。
昨年は約1万5千人が実験に参加し、7割以上が実施に賛成と答えた。一方で、「近くの席の同僚が忙しそうで帰れず、よけいに働くことになった」(航空会社社員)、「客足の多い時間に終業時間を早めるのは不可能だ」(百貨店販売員)という声もある。
体調管理や作業の厳密さの点から、学校や病院の参加は3年間を通してほぼゼロだった。鉄道やバス、フェリーなども混乱を避けるため実験への参加は見送った。
そんな課題もあるが、実験を続ける中で、関心は道外にも広がった。
岩手県奥州市では、飲食や衣料、建材など約40店が今年初参加。始業と終業を1時間ずつ早め、夕方にはセールをする。合併前の旧水沢市が、北海道長沼町の姉妹都市だった縁で、水沢青年会議所が呼びかけた。同青年会議所の石川悦哉理事長(39)は「低迷する商店街に刺激を与えたかった。来年は、たとえ北海道でやらなくても独自に続けたい」と話す。
札商には、兵庫県や滋賀県からも県議が視察に訪れた。
通勤ラッシュ時の混雑が激しい首都圏では、その解消策の一つとして、国土交通省が時差通勤やフレックスタイム制の導入などを推奨し、鉄道各社もオフピーク通勤を呼びかけている。
京浜急行電鉄は「快速電車と普通電車の乗り分けなども薦めているが、現段階では、あまり変化はない。サマータイムがあれば、ラッシュ緩和のきっかけになるかもしれない」(広報担当者)と話す。
しかし、都庁は「必要性もなく、話題に上ったことも検討したこともない」。資源エネルギー庁も「残業につながるおそれが捨てきれず、地域や国レベルでの積極的な取り組みには結びつかないのが現状」と、サマータイム導入に否定的だ。
札商は03年に政府構造改革特区へ提案したが、「所管官庁不明」などの理由で棚上げになった。この夏の実験終了後、道内限定での実施を政府や道庁に再提案し、それでもだめなら、来年も実験を続けたいという。
チョコレート菓子「白い恋人」で知られる石屋製菓では、札幌市内の工場や事務所で働く計20人が参加している。事務職の菊地美砂子さん(36)は出社が午前8時、退社が午後5時になった。「帰宅時は、まだまだ明るい」と、地下鉄を3駅手前で降り、1時間半かけて趣味のウオーキングで帰ることもある。不参加企業と時差ができ連絡が取りづらいという悩みもあるが、「朝は向こうから電話が鳴りだす前に伝票処理できる。通勤車内もすいている」と利点の方が大きいと感じる。
北洋銀行は今年、6店舗で開店を1時間早めた。本店勤務の柴山紫織さん(21)は夕方5時前に退社し、友人とレストランでゆっくり食事もした。「普段の外食はどうしてもあわただしくなる。心配もあるが、来年もあるなら参加したい」
参加自治体も年を追うごとに増えた。今年初参加の恵庭市では、総務課や職員課などの計39人が7月いっぱい、実験組と非実験組に分かれる。最初はとまどいも多かったが、「だんだん慣れてきて、野球観戦に行ったり、サッカーを楽しんだりする職員が出てきました」。
高緯度の北海道は、夏には午前3時半~4時に夜が明け、昼間が東京より1時間以上長い。実験は、この利点を生かそうと企画された。
札商が最も期待するのは経済効果だ。全道で半年続ければ、1100億円の効果と試算する。実験の期間中、ゴルフ場や飲食店、病院など70事業所が早朝や夕方にセールや健診など協賛イベントを続けている。昨年の調査では、経営者の50%、従業員の32%が「期間中は買い物などの支出が1万円以上増えた」と答えた。三越札幌店は、午後5時台の来店者が5%増えたという。
発案者の石水勲・札商副会頭は、「札幌証券取引所が東証より早く開けば、世界の目が札幌に向く」と期待する。
昨年は約1万5千人が実験に参加し、7割以上が実施に賛成と答えた。一方で、「近くの席の同僚が忙しそうで帰れず、よけいに働くことになった」(航空会社社員)、「客足の多い時間に終業時間を早めるのは不可能だ」(百貨店販売員)という声もある。
体調管理や作業の厳密さの点から、学校や病院の参加は3年間を通してほぼゼロだった。鉄道やバス、フェリーなども混乱を避けるため実験への参加は見送った。
そんな課題もあるが、実験を続ける中で、関心は道外にも広がった。
岩手県奥州市では、飲食や衣料、建材など約40店が今年初参加。始業と終業を1時間ずつ早め、夕方にはセールをする。合併前の旧水沢市が、北海道長沼町の姉妹都市だった縁で、水沢青年会議所が呼びかけた。同青年会議所の石川悦哉理事長(39)は「低迷する商店街に刺激を与えたかった。来年は、たとえ北海道でやらなくても独自に続けたい」と話す。
札商には、兵庫県や滋賀県からも県議が視察に訪れた。
通勤ラッシュ時の混雑が激しい首都圏では、その解消策の一つとして、国土交通省が時差通勤やフレックスタイム制の導入などを推奨し、鉄道各社もオフピーク通勤を呼びかけている。
京浜急行電鉄は「快速電車と普通電車の乗り分けなども薦めているが、現段階では、あまり変化はない。サマータイムがあれば、ラッシュ緩和のきっかけになるかもしれない」(広報担当者)と話す。
しかし、都庁は「必要性もなく、話題に上ったことも検討したこともない」。資源エネルギー庁も「残業につながるおそれが捨てきれず、地域や国レベルでの積極的な取り組みには結びつかないのが現状」と、サマータイム導入に否定的だ。
札商は03年に政府構造改革特区へ提案したが、「所管官庁不明」などの理由で棚上げになった。この夏の実験終了後、道内限定での実施を政府や道庁に再提案し、それでもだめなら、来年も実験を続けたいという。
Comments