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2006.07.21 Friday

驚愕2千万円布団…その中身と“値心地”は?

 今年創業440周年を迎えた寝具大手、西川産業(東京都中央区)が、驚愕の布団を8月下旬に発売する。江戸時代に消滅した幻の染色技法を現代によみがえらせたことで知られる「一竹工房」(小平市)とタッグを組み、同技法を取り入れた布団を製作し、売り出すことになった。気になるお値段は2000万円となっている。

 東京・日本橋の西川産業本社で先月、秋冬物の新作発表会が開かれた。取引業者向けの内々の会だったが、幻の染色技法に彩られた布団を一目見た業者は一様に「これはすごい」とうなった。

 その布団のスゴさはひとえに、使われている染色技法「一竹辻が花」にある。

 もともとは、室町時代にあった紋様染めの技法「辻が花」が原型で、庶民の小袖から始まり、武家にも愛されるようになって高級品として一世を風靡(ふうび)した。その後は染め物の友禅などに押され、江戸時代初期に実質的に姿を消したとされる。

 その幻の染色技法を現代によみがえらせたのが芸術家の故・久保田一竹氏だった。久保田氏は20歳のときに国立美術館で見た「辻が花」に感銘を受け、第2次世界大戦でのシベリア抑留から復員後、同技法を“復活”させるべく31年間、研究を重ね、「一竹辻が花」としてよみがえらせた。

 その結晶は久保田氏の長男で「一竹工房」社長の久保田悟嗣氏に引き継がれた。「一竹辻が花」は「着物の世界では大変名高く、欧州でも有名」(西川産業)という。

 西川産業が創業したのは室町時代。「辻が花」という技法が生まれたのも同時代だっことから、「歴史的背景も考えて、コラボレーション(協調事業)を一竹工房さんにお願いしました」(同)という。

 布団には、最高級のアイダーダウンが1.2キロも使われている。アイダーダウンとは、母鳥がヒナを育てる際に巣の材料として使う胸部分の毛のことで、温かみがある。アイダーダウンを使った布団は、「通常の商品でも180万から200万円ぐらいはする高級品」(同)だ。

 そして、布団に染め抜かれた芸術的な花の紋様こそが、この布団に真の“価値”を生み出している。

 辻が花をよみがえらせた久保田一竹氏が、60歳にして初めて世に問うた作品に『幻』がある。布団の紋様はその作品をモチーフにデザインされたものだ。

 「寝具というよりも、美術品として買っていかれる方がいるかもしれません」と西川産業が話すように、その芸術性が注目されそうだ。

 そのお値段は2000万円ナリ-。「そこの部分ばかりを強調されると…」と久保田悟嗣氏は苦笑するが、やはり値段に目がいってしまう。

 今のところ、この世に1つしかない幻の布団。西川産業では8月下旬から発売するが、どういう人がお買い上げになるのだろうか…。

ZAKZAK 2006/07/21

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